浪漫 


リッキー・リー・ジョーンズ
(★★★★)

ベレー帽を被ったブロンドの女の子が伏目がちにタバコをくわえているジャケット(ノーマン・シーフ撮影)が良い感じ。確かに、ローラ・ニーロや、ジョニ・ミッチェルを思わせるところもありますが、60年代のフォークやR&B畑の彼女たちとは違い、50年代 から突然タイムスリップしてきたような、遅れてきたビート世代という感じなのが、魅力的です。かわいくて、時には色っぽい、と多彩な表現力を持つ歌唱と、都会で生きていくしたたかさとユーモアに満ちた歌詞に感動しますた。この作 品は、ワーナーのレニー・ワロンカーとラス・タイトルマンという、ランディ・ニューマン等の数々アーティストの名作を手がけたコンビの制作で、バーバンク派 の豪華なミュージシャンが大挙して参加し、ジャズ、R&B、フォーク、ロックを折衷したサウンドを作り出しています。大ヒットした「恋するチャック」をはじめ、夜の街をさまよう若者たちの生態をピリッとした辛さを加えて描いた作品が多いのは、恋仲だったトム・ウェイツや初期のスプリングスティーンの世界とも共通します。そういった自作曲を物憂げに、ジャズっぽく、そしてファンキーにと変幻自在に唄い、無垢な少女から裏道りのあばずれにまで変身するうえ、ロック時代以前のトーチ・ソング歌手的な顔も見せてくれます。
(にゃまうち)
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